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法人の理念と歴史

東京老人ホームの理念「愛~人を大切に思う心~」

1923年(大正12年)、関東大震災で罹災した高齢者を日本福音ルーテル教会が救済したことから始まった東京老人ホームは、創立当初から、キリスト教の教える「愛~人を大切に思う心~」をもって、一人ひとりの生を受容することを法人理念として掲げています。
この変わらぬ法人理念は、施設で生活をされるご利用者や在宅サービスをご利用される高齢者の方々、そしてそのご家族のみならず、働く職員やボランティア、更にはこの地域で暮らす方々など、東京老人ホームに関わる全ての方々へ向けられています。 
理念の具現化として展開している事業の数々は、ミッションステートメントを道標としています。

ミッションステートメント

私たちは、キリスト教精神によって、ご利用者、ご家族、地域の方々と共に、希望、喜び、人間としての誇りを分かち合って生きるコミュニティの実現を目指します。
私たちは、ご利用者一人ひとりが人間としての尊厳を保ち、喜びをもって生きることが出来るコミュニティ実現のために、祈り、力を尽くすことが私たちのミッション(使命)であると信じ、この道を歩みます。
この私たちの歩みに賛同される方々が、一人でも多くこのミッションに参加されることを切に望みます。
主よ、私たちに愛の心をまし加え、歩むべき道筋を示して下さい。


100年の時を刻む中で受け継がれてきた想い

東京老人ホームのはじまり(1923年)

麻布市兵衛町(左:老人ホーム/右:母子ホーム)
1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災の直後から、日本福音ルーテル教会は高齢者と母子に対し、救いの手を差し伸べました。
これが、社会福祉法人東京老人ホームと、母子生活支援施設や保育園を運営する社会福祉法人ベタニヤホームのはじまりです。
震災からわずか4か月足らずの1923年(大正12年)12月13日には、麻布市兵衛町(現在の港区)のスペイン公使館敷地内にバラック小屋を建てて、住まいを無くし食に困っていた高齢者60名を収容しました。
当初は3年を目途に緊急的に始められた高齢者救護でしたが、入所されている方々から「このホームにいたい」との声に加え、東京都から「小さくて家庭的な事業なので続けて欲しい」との要請に応えて、事業を続けることになりました。
その後、杉並区高円寺への移転を経て、1936年(昭和11年)から現在の地である西東京市にて社会福祉法人東京老人ホームを運営しています。

東京老人ホームは創立当初から「一人のいと小さき者になしたるはわれになしたるなり」(マタイによる福音書25章40節)という神の愛を原点として、ただ待っているのではなく、困っている人、必要としている人に駆け寄り、手を差し伸べてきました。
さらに「高齢者一人ひとりをよく理解し、優しい言葉かけを心がけて仕える」という創設者の想いが職員に徹底されてきました。
これらは創立から100年の時を経て受け継がれ、今もなお私たち東京老人ホームが大切にしている想いです。

地域にも目を向けた取り組み(1970年代以降)

1970年代からは地域にも目を向けて、施設の持つ有形・無形の資産を、必要とされる地域の高齢者にも利用していただこうと、さまざまな在宅サービスを開発し実践してきました。

高齢者が「最期の時まで住み慣れた地域で暮らす」ためには、(1)健康保持のための栄養バランスの摂れた食事、(2)精神的安定を保つための孤独感の緩和と解消、(3)在宅のまま十分な介護が受けられること、(4)病気・ケガなど緊急事態に適切な対策が取られることが必要だと考え、東京老人ホームはこの4つに焦点を当てて、地域高齢者に向けた取り組みを行いました。
全国初の配食サービス
子供を連れた食事サービスのボランティア
全国に先駆けた配食サービス(1972年)
食事作りが難しくなった地域の高齢者に、栄養のあるお食事をお届けするため、高齢者施設の給食機能を利用した配食サービスを全国に先駆けて実施しました。
このサービスは、食を提供するだけではなく、食事を配るボランティアさんと会話を交わすことで、独居で孤独を感じている高齢者の心の拠り所となる役割も果たしていました。
高齢者向け料理講習会と料理ノート
「高齢者保健食」料理講習会
「高齢者保健食」料理講習会と高齢者向け料理ノート(1978年)
食事内容が、育ち盛りの子供たちを中心としたメニューに偏る家庭も多く、高齢者向けの食が疎かにっている状況に目を向けて、地域の方に向けた「高齢者保健食」料理講習会を開催する他、「老人向き料理ノート」という料理本を作成し地域に配付しました。


緊急通報システムの開発と実用化
東京老人ホーム内の緊急時通報システム受信機
緊急時通報システムの開発と実用化(1980年)
一人暮らし高齢者の病気、火災、犯罪等の緊急時通報に必要な諸機器の開発、実用化を武蔵野市福祉公社と協働で行いました。
首から下げるペンダント型無線発報器の押しボタンを押せば、東京老人ホーム内の緊急対策センターへ知らせが届く通報システムです。
これは、先の配食サービスとともに、日本で初めてのものです。

高齢者向き体操の手引き
「高齢者向き体操の手引き」
高齢者健康教室による実証的研究(1981年)
住み慣れた地域で暮らし続けるためには、健康なくしては語れません。また当時、高齢者に充てる国の医療費財政が厳しい事情もあったことから「高齢者にとって」も、「今後の高齢者福祉にとって」も、高年齢者の健康の維持・増進に力を入れていく必要があると私たちは考えました。
そこで、東京都から助成金を受けて実施したのが、フレイル予防の先駆けとなる高齢者健康教室での実証的研究です。
全14回の体操教室の前と後には専門機関と連携しながら健康診断と体力測定を行い高齢者の体の変化を検証する他、参加高齢者の医療費の推移も分析・研究を行いました。


※「高齢者保健食」料理講習会、緊急時通報システム、高齢者健康教室による実証的研究は、当法人として高齢者福祉に関する問題提起と実践を通して、その役割を十分に果たしたと判断し終了しました。

全国初となる全室個室の特別養護老人ホーム(1995年)

新設された当時の社会福祉法人東京老人ホーム
1980年代当時は、慢性的な施設不足により、国からは特別養護老人ホームの個室は定員の10%までと規定されていました。
そのような時代にあっても、寝たきりで自由に動けない方や認知症のある方こそ、最期の時まで真に人間らしい生活が送れるようプライシー、プライド、自由が守られるべきであるという強い信念を持ち、東京老人ホームは全室個室の特別養護老人ホームの建設に拘りました。
何度となく国や東京都に対し交渉を重ねましたが、1990年の建物新築当初は全室個室が叶わず、養護老人ホーム定員50名、軽費老人ホーム定員100名のみが全室個室となり、特別養護老人ホームは定員80名、ショートステイ8名に対し、48室個室、18室2人室、1室4人室でのスタートとなりました。
しかし諦めることなく交渉と検討を重ねた結果、段階的に個室数の確保が認められ、2度の改修工事の末、1995年1月に全国初となる全室個室化の特別養護老人ホームを誕生させることができました。

職員と共に考え、成長し続ける法人

1923年(大正12年)の創立から現在に至るまでの100年の歴史の中で、東京老人ホームは、時代の流れや地域のニーズに常に目を向けて、高齢者福祉における様々な事業を展開する他、職員が主体となり「地域で必要とされていること」を考えるプロジェクトを実践しています。
認知症カフェプロジェクト「おひさまカフェ」(2016年)
高齢者福祉の専門性を活かしてこの地域で貢献するために法人として何ができるのか、若手職員も含めたプロジェクトチームでゼロから検討を重ねた結果、認知症や物忘れのある方々が主体的に関わることのできるカフェを運営しようということになりました。
そのような高齢者の方々が自発的に参加できることで自信を取り戻し、ご自身が本来持っている力を発揮できる空間を提供し支援をしていく取り組みが、月2回開催する「おひさまカフェ」として誕生しました。
※新型コロナウィルスの蔓延防止のため、現在「おひさまカフェ」は休止しています。
片付け支援事業
地域貢献プロジェクト「片付け支援事業」(2021年)
自宅でのゴミ等の溜め込みにより、身動きが取れず不衛生で健康にも影響を及ぼしている高齢者が地域には多く暮らしています。
片付けの専門業者は費用が高額であること、ニーズはあるのに担い手が少ない現状を受けて、地域貢献プロジェクトでは、東京老人ホームが片付け支援を行う意義があると確信し、地域包括支援センター等と協働で始動しました。
具体的には、そこで暮らす高齢者と一緒にご自宅の片付けを行う支援ですが、ただ住環境を整えることだけがプロジェクトの目的ではありません。
このような高齢者は近隣との関わりも希薄で、地域で孤立していることも多いため、最終的には、片付け支援を通して必要なサービスにつなげることで、高齢者が安心・安全な生活環境を取り戻し、専門職と地域住民とのネットワークの再構築が図れることを目指しています。

地域の高齢者の居場所づくり
ひまわりの会(2023年)
地域の認知症の方がスタッフとなり活躍する場を提供していた「おひさまカフェ」は、「デイサービスぽぽたん」の事業閉鎖によりその活動の場を失ってしまったこと、またコロナ禍で飲食を提供する活動が難しくなってしまったことを受けて、休止せざるを得ない状況となりました。
そこで、そのような状況下においても「おひさまカフェ」の目的は受け継ぎながら、東京老人ホームがこの地域で果たすべき役割について検討してきました。
ちょうどその頃、近隣の保谷第二小学校が地域を花でいっぱいにする「花プロジェクト」の活動を始め、当施設のご利用者が小学生の育てた花の苗をいただき、引き継いで育てるという花のつながりを持ちました。
そこで、子どもたちからいただき育てた花を何か形に代えて、今度は子どもたちにプレゼントしようと始まったのが「ひまわりの会」です。
そこでは「おひさまカフェ」同様、自宅に閉じこもりがちで物忘れの多くなってきた地域の高齢者が「ひまわりの会」に参加することで自信をもって主体的に活動していただくことを目指しています。
また、作成したカードはご自宅に持ち帰っていただく他、地域の子どもたちにプレゼントすることで、地域との繋がりを感じていただく活動を行っています。
東京老人ホームは、これからも時代の流れや地域のニーズに目を向けて、高齢者福祉の専門性を活かしながら、この地域で使命を果たしていきます。
職員が主体的に関わることのできる環境を整えて、職員と共に考え、共に成長し続ける法人でありたいと願っています。

沿革

1923年
12月13日
日本福音ルーテル教会が関東大震災の罹災者救護事業として、東京都港区のスペイン公使館敷地内(当時の麻布市兵衛町)にバラックを建設し、母子と老人を受け入れる。これがいまの社会福祉法人ベタニヤホーム及び社会福祉法人東京老人ホームの事業のはじまりとなる
1924年
8月8日
老人ホームは杉並区高円寺に移転、母子ホームも11月に本所菊川橋に移転する
1936年
11月23日
東京都北多摩郡保谷町大字上保谷新田168に1,000坪の土地を取得、三井報恩会、服部報公会からも資金の助成を受けて、121坪余を新築し移転する
1938年
9月30日
保護施設の認可を受ける
1946年
11月30日
生活保護法による養老施設としての認可を受ける
1950年
5月15日
東京都北多摩郡保谷町大字上保谷新田70の土地435坪を取得して菜園とする
1952年
5月17日
社会福祉法人東京老人ホーム設立の認可を受ける
1953年
11月4日
東京都北多摩郡保谷町大字上保谷新田168の隣接地550坪を取得
1956年
3月29日
施設内診療所(内科のみ)の開設許可を受ける
1960年
11月1日
東京都北多摩郡保谷町大字上保谷新田70の土地119坪余を同町大字上保谷4の4の宅地(同面積)を交換、ホーム長宿舎27坪余を新築
1963年
8月1日
老人福祉法により、養老施設は養護老人ホームとなる
1964年
3月31日
養護老人ホーム、124坪余を新築。(都補助金5,331,000円) 軽費老人ホーム、297坪余を新築(都補助金10,762,500円)
1964年
6月1日
軽費(東京老人ホーム泉寮)の事業を開始する(定員50名)
1965年
9月1日
養護定員160名
1972年
4月1日
保谷市の高齢者に対する地域健康相談を始める(無料検診月1回)
1972年
8月10日
地域の高齢者に対する配食サービス(保谷市、武蔵野市)を始める
1973年
4月1日
宮城県仙台市鶴ヶ谷5丁目17に鶴ヶ谷保育所希望園を新設(定員90名)
1983年
4月15日
社会福祉法人鶴ヶ谷保育所希望園を設立、同事業を分離
1984年
12月1日
居室個室化のため、養護定員を100名に減員
1987年
12月28日
施設建物建て替えのため、東京都保谷市柳沢2丁目70番地1の土地1,042平方メートル及び建物561平方メートルの養護老人ホーム(東京老人ホーム別館)ならびに東京都保谷市柳沢5丁目4番地4の土地396平方メートル及び建物91平方メートルのホーム長宿舎を売却する
1989年
5月28日
施設建物建て替えのため、敷地北側の仮居住棟へ移転する。 (養護:東京老人ホーム25名 軽費:東京老人ホーム泉寮43名)
1989年
6月20日
東京都保谷市柳沢4丁目1番3の建物2,918平方メートル(養護:東京老人ホーム本館1,934平方メートル、軽費:東京老人ホーム泉寮984平方メートル)及び大小樹木を解体撤去する
1990年
7月31日
東京都保谷市柳沢4丁目1番3(土地5,124平方メートル)に鉄筋コンクリート造銅板葺地下1階付5階建が新築落成する(竣工式8月24日)
1990年
9月1日
特別養護老人ホームめぐみ園の開設許可に伴う、新しい建物による施設事業は次の通り。 1. 養護老人ホーム: 東京老人ホーム  定員50名 面積2,079平方メートル(全室個室) 2. 軽費老人ホーム:東京老人ホーム泉寮  定員100名 面積3,582平方メートル(全室個室) 3. 特別養護老人ホーム:めぐみ園  定員80名、ショートステイ8名  面積3,564平方メートル (48室個室、18室2人室、1室4人室) 建物建て替えに対する補助金は総額2,083,890千円(内、国庫116,864千円、都1,007,026千円、武蔵野市720,000千円、保谷市240,000千円)である。ただし、武蔵野市、保谷市の補助金は借入金の償還金に対する補助金429,681千円(20年間)を含む。法人自己資金は863,913千円
1992年
12月20日
特別養護老人ホームめぐみ園の2人室18室の個室化工事完成(個室84室、4人室1室となる)
1993年
6月1日
保谷市在宅介護ホームヘルパー派遣事業を開始する
1995年
1月1日
めぐみ園在宅介護支援センター事業開始
1995年
1月30日
特別養護老人ホームめぐみ園の4人室1室の個室化工事完成。(全室個室化完了、 個室2室増築、グループルーム新設。) 東京都共同募金会配分金10,000千円、都財団5,000千円(5年償還)、自己資産12,552.5千円、増築面積76.6平方メートル、建物延床面積9,301平方メートルとなる
1999年
9月1日
介護保険による指定居宅介護支援事業者の指定を受ける(指定日2000年4月1日)
2000年
4月1日
介護保険制度開始、特別養護老人ホームめぐみ園は、介護老人福祉施設となる
2000年
6月4日
保谷市高齢者センター「きらら」事業受託(デイサービス事業)
2003年
12月13日
創立80周年を記念して「ロゴマーク」作製
2006年
4月1日
富士町地域包括支援センター事業を西東京市より受託
2010年
3月1日
めぐみ園訪問看護ステーション事業開始
2010年
3月31日
西東京市高齢者センターきらら(デイサービス事業)受託終了
2013年
4月1日
西東京市高齢者配食サービスの事業受託
2013年
12月13日
創立90周年を記念して法人キャラクター「ぽぽたん」誕生
2014年
10月1日
デイサービス ぽぽたん事業開始
2015年
10月1日
認知症の方がスタッフとなり運営する「おひさまカフェ」オープン
2015年
12月31日
西東京市高齢者センターきらら(居宅介護支援事業所)受託終了
2020年
2月29日
めぐみ園訪問看護ステーション事業閉鎖
2021年
2月28日
デイサービスぽぽたん事業閉鎖
2022年
8月10日
第1回目の片付け支援事業実施
(2020年度より地域貢献プロジェクトとして検討始動)
2023年
4月1日
「西東京市高齢者配食サービス」事業から「西東京市高齢者見守り配食サービス」事業に変更
配達地域を拡大(南町全域・向台町全域の追加)
2023年
9月17日
第1回目の「ひまわりの会」実施
(2021年度より地域取り組み検討会として検討始動)
2023年
12月13日
社会福祉法人東京老人ホーム創立100周年記念日
・法人ロゴマーク改定
・法人キャラクター「ぽぽたん」の仲間として新たなキャラクター「ふらっふぃ」誕生
社会福祉法人東京老人ホーム
〒202-0022 東京都西東京市柳沢4-1-3
TEL.042-461-2230
FAX.042-461-2280
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養護老人ホーム
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指定居宅介護支援事業所
地域包括支援センター
高齢者見守り配食サービス

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